おひとりさまが万が一病気になったり、亡くなったりした時に、大切なペットがどうなるのか考えたことはありますか?ペットは人によってお世話してもらい、生活する場所がなければ健康に生きられません。
ペットを飼っているおひとりさまが増えている今、ペットの健康を守り安全に暮らせる場所を用意することは飼い主にとってしっかりと考えたいことです。そこで、今注目されているペットを託す里親制度をご紹介します。
ペットの里親制度である「ペット信託」とは何か、申し込み方法などをご紹介します。
おひとりさまの急逝・急病でペットはどうする?
ペットは大切な家族の一員であり、人生を共に歩んでいきたいパートナーです。本来ペットは人間よりも寿命が短く、飼い主がペットを看取ることが多いです。
しかし、場合によっては飼い主の急病や急逝などで、一緒に生活したくても共に暮らせなくなる可能性があります。特に一人暮らしのおひとりさまは、家族にペットの面倒を引き継ぐことができず、身寄りがないペットをそのまま残してしまうということも考えられます。
だからこそ、今ペットと暮らすおひとりさまの間で注目されている制度が里親です。飼い主に何かあったときに、大切なペットのお世話を里親に託せることで、おひとりさまでも安心してペットとの生活を送れます。
ペットを託す里親制度「ペット信託」って?
ペットの里親制度のことを別名「ペット信託」と呼びます。「ペット信託」は、飼い主にペットを飼えないような状況が起きたときに、個人や団体にお世話を託すという制度です。
飼い主があらかじめ決めた個人や団体と契約しておくことで、急病やケガなどによって面倒を見れなくなってもペットのお世話を引き継いでもらえます。
ペット信託の魅力は、飼い主が万が一亡くなってしまった場合でも、ペットに財産を残したうえでお世話をお願いできること。ペットに遺産を直接残すことは法律上できませんが、ペットのお世話をする受託者にペットに飼育費を財産として残すことができます。
ペット信託は万が一に備えて、信託財産を適切な方法で管理し、その信託内容を飼い主がお世話できなくなったあともきちんと遵守しているか、監視してもらえるため安心してお願いできる制度です。
家族や知人に口約束でペットのお世話を頼んでおく形とは違い、監視してくれる第三者がいることで、きちんとペットのためにご自身の財産が使われるため、急病や亡くなるといった事態でもペットの安全と生活が保証されるのです。
ペットの里親制度の申し込み方法
ペットの里親制度である「ペット信託」を申し込む流れを見ていきましょう。
1.信託契約書を作成する
最初にペット信託を実施ている企業やグループを探し、お願いしたいところを見つけましょう。依頼先が決まったら、信託契約書を作成します。
信託契約書とは、ペットの面倒を見てもらう代わりに飼い主の財産から必要な費用を信託財産として支払うという契約です。
ペット信託はまだ新しい制度ですが、数は少ないもののペット信託専門業者も存在します。
2.監督人を選出する
ペット信託は信託契約をきちんと遵守しているか、第三者の監督人が選ばれます。無理に選任する決まりはありませんが、あらかじめ決めておくことで委託するご自身が安心できるというメリットがあります。
信託監督人が、知人や家族に頼めない場合は第三者機関に申し込むこともできます。
3.ペット信託の資金を預ける口座を用意する
契約にあたって、信託財産となる資金を預ける銀行口座を用意しましょう。ペット信託を契約するにあたっての契約料から、ペットの寿命を計算したうえで必要になる飼育費を計算します。
飼育費は10年を目安に、長ければ15年ほど見積もったうえで口座に預けておきましょう。ペット信託の契約を結んだ委託者は、この口座から必要な費用を引き出して使います。
また、委託者が相続人である場合は遺言書も作成したうえで、ペット信託のことも明記しておくと安心です。相続人とペット信託の財産が争いにつながってしまうことがあるため、あらかじめ信託制度を利用していること、この口座にあるお金はペットのために使用することを記しておきましょう。
ペット信託を選ぶときの注意点
ペット信託は最近増えてきた新しい信託制度で、日本国内だと数が限られています。そのため選ぶときは、ペット信託のこれまでの実績、自分のニーズに合ったサービスがあるか、くわしくチェックしましょう。
もし自宅の近くにペット信託の会社があれば、直接訪問して話を聞いてみるのも、ペット信託会社を決める良い判断基準になります。
ペット信託はおひとりさまが諸事情でペットの面倒をみられなくなったときも、その後を引き継いでもらえるペットの安全のための制度です。飼い主は最期までペットを面倒みることが仕事の1つと言えます。
まとめ
おひとりさまが増えている今、ご自身が面倒を見たくてもケガや病気、亡くなるなどの万が一の事態が起きることで、ペットと一緒に暮らせないという状況になる可能性も考えることが大切です。
もちろん飼い主が親族や友人の中から、ペットを任せられる信頼できる方がいれば、無理にペット信託を利用する必要はありません。ペット信託はペットの将来を考えたうえの選択肢の1つとして、ぜひ覚えておきましょう。
投稿者プロフィール
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一般社団法人 包括あんしん協会 理事
株式会社 WISHLANE 取締役
【資格】
ファイナンシャルプランナー
おひとりさま終活士
終活アドバイザー
不動産後見アドバイザー
お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのライフシフトナビゲーター。
5000人超の保険コンサルティング実務経験から「お金、心、身体」のトータルサポートが必然だと実感しています。100年人生を生き抜く時代。
人生の終焉に自分の願う最後の言葉が残せるように笑顔と実現力を引き出すためのあなたの一生涯サポーターとして活動しています。
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