おひとりさまのメンタルヘルス心身を健康に保つコツとは？

おひとりさまに多い悩みが、孤独感に苦しめられてしまうことです。孤独を抱えていると、人は精神的に不安定になるだけでなく体調にも影響が出やすいことをご存じですか？

この記事ではおひとりさまが考えておきたいメンタルヘルスをご紹介します。
実は心身のバランスを崩しやすいと言われているおひとりさまの理由と、対策もいっしょに見ていきましょう。

おひとりさまが心身のバランスを崩しやすい理由とは？

おひとりさまは、今同居している人がいない、パートナーに先立たれて一人暮らしをしているといった方です。ご高齢のおひとりさまが増えており、老後をどう過ごすか悩みがある人もいます。

そんなおひとりさまは、心身のバランスを崩しやすいとも言われています。その理由を知ることで、老後を楽しむためにどう過ごしたらいいのかヒントにつながっていくのです。

まずはおひとりさまがメンタルヘルスの不調を起こしやすいとされる、3つの理由を見ていきましょう。

一人で過ごす時間が長いと、人は無意識にさまざまなことを思考してしまいます。人の意識には潜在意識と顕在意識があります。

この潜在意識は普段頭の中に浮かばない無意識の習慣のようなもの。顕在意識は表面化している意識で、頭の中でおしゃべりをします。

顕在意識の影響を強く受けると、今考えなくてもいい過去や未来に思考が囚われてしまうのです。老後の不安、死への恐怖や、過去の行いを悔やむなど、現在に気持ちが集中できない状況は気分を落ち込ませる原因です。

おひとりさまは自宅で一人で過ごす時間が長いため、どうしても自分ひとりでは気持ちをコントロールしきれず、ネガティブになりやすいのです。

気分転換のきっかけが少ないことも、おひとりさまが落ち込みやすい原因の1つです。たとえば友達との会話など、誰かとの交流は過去や未来の不安に囚われずに、今を楽しめます。しかし、年齢を重ねると体力が低下し、自然と家で過ごす時間が長くなるうえ、一人暮らしだと会話の機会も減ってしまいます。

このようにご高齢のおひとりさまは、地域や社会とのつながりが減ることで、孤独感が強くなるのです。

孤独は健康にも影響を及ぼすと言われています。なんとそのリスクは、喫煙や飲酒以上と言われているのです。

孤独を感じると私たちの体には強いストレスを感じます。社会とのつながりが少ない結果、脳卒中や心臓病のリスクまで高まるとの研究結果があるのです。

1日1回以上の外出、週1回以上の友人や知人との交流がないと、おひとりさまは孤独感を抱えやすいと言われています。

おひとりさまは一人でいる時間が長いため、何か心身に不調をきたしても自分では気付けない可能性があります。家族から認知症の兆候に気付いてもらうケースが多いように、無自覚に進行する病気もあります。

自分ではそこまで体調を崩していないと思っても、他者から見ると普段と様子が違う状況はめずらしくありません。おひとりさまがメンタルヘルスの調子を崩しやすいのは、このようなほかの人と接する時間の短さが病気や心の不調の発見の遅れも深くかかわっているのです。

おひとりさまのメンタルヘルスを考えるには、程よい距離感で社会とのつながりを持ち続けることです。
一人が気楽だと思っていても、いざ体調を崩したときに頼れるのは他人です。

だからこそ、退職したあとも地域との交流を持ち続けるように、集まりには参加することをおすすめします。

また、普段からおひとりさまのメンタルを強くするために、あまり深く物事を考え過ぎずに今を楽しむ気持ちでいる意識が大切です。問題が起きてもそこに向き合い過ぎず、一人でも楽しめる趣味や熱中できるものに触れましょう。

反対に悩みを書き出して、どうしたら解消できるのか見える化することで、安心につながることもあります。現在ではおひとりさま同士のコミュニティも増えており、インターネットを通じて同じ環境の一人暮らしのシニアと交流を持つ方法があります。

おひとりさまは生活面で気づかないうちに不安を抱えている人が少なくありません。しかし、おひとりさまだからこそ、楽しめるシニアライフもたくさんあります。

孤独に悩んでいるのなら、無理のない範囲で地域との交流を持っていきましょう。またおひとりさま同士の悩みを共有できるように、同じ立場の知り合いを探すことも、不安の解消につながります。

大和泰子: 株式会社　WishLane　代表取締役
一般社団法人包括あんしん協会　代表理事
【資格】
おひとりさま終活士
CFP®（ファイナンシャルプランナー）
終活アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー

家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居の幸せ家族。
独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った。そして幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と熱い想いから、おひとりさま・おふたりさまの支援の実務をスタート。
「お金」「心身」「人」の３要素が環境や年齢とともに一人で自力ではどうにもならない時が訪れます。その時に、私たちが家族のように寄り添うサポート事業を運営。
まｔ、このような支援が出来る「おひとりさま終活士」の輩出活動中。