運転免許証は自主返納ができます。生前のうちにもう運転をやめるために、自主返納をしていれば特にその後の手続きは不要です。しかし、故人が生前のうちに使っていた免許証があれば、どのような手続きが必要なのでしょうか?
この記事では故人の運転免許証の返納手続きは必要なのか、遺族が返納する場所や手続きの流れなどをご紹介します。
死亡後の免許返納は義務ではないが期限切れで無効になる
故人が自動車の運転免許証を持っているときは、死亡の時点で免許証そのものの効力は失われます。しかし、基本的に運転免許証も返納手続きをしなければ、会員登録やカードの解約をしていないうちは契約が続くように、そのまま返納していない状態が続きます。
基本的に可能であれば、故人の免許証は遺族が代理人となって、返納の手続きを行いましょう。そのまま処分してしまうと、万が一誰かに悪用されてしまうリスクがあります。
もう効力がないからとそのまま捨てても、免許証をほかの人の身分証明として使われるといった危険をなくすためにも、むやみに捨てることはNGです。もし遺品として手元に置きたくても、きちんと手続きをしたうえで運転免許証として使えない状態にして保管することが大切です。
遺族はいつまで運転免許証を返納するべき?
遺族が運転免許証を返納する時期は、できるだけ早いうちに行うことが望ましいです。実際は故人が亡くなったあとは、葬儀やお墓の手続き、一周忌などいろいろな事務手続きがあります。
そのため、なかなかタイミングがなく、先延ばしになってしまう人もいます。運転免許証は必ずしもいつまでに返納すべきという義務はありません。もしゆとりがなければ、事務手続きが落ち着き気持ちの整理もついてきた頃に、返納しましょう。
万が一返納を忘れていても、更新手続きをしなければそのまま免許証としての能力も失います。
運転免許証を返納できる場所とは
遺族が運転免許証を返納する場所は、運転免許センターか警察署のどちらかです。
運転免許証を返納するときには受付時間内に、運転免許証返納届に記入して窓口に提出しましょう。中には地域の交番や駐在所といった近くで返納できるところもあります。
もし最寄りの警察署まで遠いときは、近くにある駐在所で返納できないか確認してみることをおすすめします。
運転免許証を返納するときに必要なものと流れ
運転免許証を返納するときは、次のものが必要です。
- 故人の死亡診断書
- 運転免許証
- 届け出する人の身分証明書
- 認印
故人の運転免許証だけでなく、死亡診断書を持参して代理人として手続きできることを証明しましょう。
また、代理人となる遺族の身分証明書も必要になります。場合によっては認印を押す可能性があるため、ハンコも忘れずに持ち込んでください。
もし運転免許証を遺品として持ち帰りたいときは、返納するときに無効マークをつけてもらったり、パンチで穴を開けてもらったりして、そのまま持ち帰ることも可能です。
遺品として持ち帰りたい旨を伝えて、対応してもらいましょう。ちなみに運転免許証を返納した人がもらえる運転経歴証明書も、返納手続きをしましょう。免許証と同じく身分証明としても使えるため、忘れずに返納手続きをしておくと悪用を防げます。
終活として免許を返納しておくべき?
生前のうちに免許を返納した方が遺族のためになるのか、悩んでいる方もいるのではないでしょうか?結論として、免許を返納したあとに運転経歴証明書を発行してもらっているのなら、どちらも返納手続きは必要になります。
また、免許証がなくともほかの健康保険証などの身分証、カード類の解約手続きなど、生前のうちは解約できないものもいくつかあります。
そのため、終活として免許を返納するというよりも事故を防ぐために、運転免許証を返納したい場合におすすめの方法です。
あらかじめ家族に免許証があることや、自主返納した場合でも運転経歴証明書を持っていることを伝えておくと、ご自身が亡くなったあとの遺族の手続きがスムーズになります。
まとめ
運転免許証は故人のものであっても、基本的に返納が必要です。故人が亡くなった時点で運転免許証としての効力はなくなっているものの、そのまま捨ててしまうとほかの人の身分証代わりにされるなど、何かしらの犯罪に使われる可能性があります。
だからこそ、できるだけ早く故人の運転免許証は警察署などで返納手続きをしましょう。また、運転経歴証明書も返納手続きが必要です。運転免許証はパンチで穴を開けてもらうなどすれば、持ち帰ることもできるため遺品として手元に残したい方も安心です。
このように故人の死後の手続きの1つとして、運転免許証の返納の必要性も覚えておきましょう。
投稿者プロフィール
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一般社団法人 包括あんしん協会 理事
株式会社 WISHLANE 取締役
【資格】
ファイナンシャルプランナー
おひとりさま終活士
終活アドバイザー
不動産後見アドバイザー
お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのライフシフトナビゲーター。
5000人超の保険コンサルティング実務経験から「お金、心、身体」のトータルサポートが必然だと実感しています。100年人生を生き抜く時代。
人生の終焉に自分の願う最後の言葉が残せるように笑顔と実現力を引き出すためのあなたの一生涯サポーターとして活動しています。
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