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ペットの老々介護が増えている。問題事例と解決策とは?

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愛犬は人よりも早く年をとってしまいます。すると介護が必要になることが多く、体力的にも経済的にも負担が増えるケースが珍しくありません。

特に近年はおひとりさまが増えており、さらに少子高齢化の影響でペットの飼い主の年齢そのものも上がっています。

だからこそ、ペットの老々介護が増えている今、ペットを飼っている方も、これからペットを飼いたい方も、老々介護の実情を知り今できる準備を進めていきましょう。

ペットの老々介護とは何か、事例や考えておきたい重要なポイントをご紹介します。

愛犬と飼い主の高齢化が進んでいる

愛犬と飼い主の高齢化が進んでいる背景には、次のような理由があります。

ペットも人も寿命は医療の発達で延びている

ペットも人も年々平均寿命が延びています。この理由こそ、医療の発達による影響が大きいのです。

医療の発達で病気をしても適切な治療を受けられることで、ペットの平均寿命は今や15歳程度です。

獣医という職業が一般的でなかった50年以上前になれば、一般的な犬や猫の平均寿命は10歳未満であり、病気や怪我で5歳以下で命を落とすケースがめずらしくなかったのです。

しかし、人もペットも医療の発達により、長生きできるようになりました。その結果、年齢を重ねた飼い主が老後になってからペットを飼うケースが多く、ペットも20年近く長生きする例がめずらしくありません。

その結果、ペットも飼い主も歳を重ねて老々介護の状況になってしまいがちなのです。

ペットフードの品質向上

今ペットブームの影響で、市場で販売されているフードの品質も大幅に上昇しています。
栄養バランスが考えられた商品から、そのペットの年齢や健康状態に合わせたタイプも充実しています。

また、手作り食や無添加フードといったペットの健康を考えた食事を考える飼い主も増えており、ペットの寿命が延びている現状につながっています。

整った生活環境

室内で飼育されるペットが増えたことで、寒暖などの外の環境の厳しさや外敵に襲われるリスクが下がっています。

ストレスフリーな環境にペットを置く飼い主が多い結果、病気やケガのリスクも自然と減り、整った生活環境を通じて飼い主もペットも長寿になっているのです。

ペットの老々介護の事例

ペットの老々介護は、老犬を高齢者が介護する状況です。しかし、ペットの介護はただでさえ負担が大きいうえ、飼い主自身の体力や健康状態によっては、さらなる苦労が重なるリスクもあるのです。

ペットの老々介護で起こりやすいトラブル事例と、注意したいポイントをご説明します。

老犬の認知症による昼夜逆転

老犬は年齢を重ねると、人と同じような認知症の症状を発症することがあります。
すると体内時計が狂い、昼夜逆転現象が起きてしまうのです。このときにペットならではの問題になりやすい点が、深夜の無駄吠えや眠らないといった状況です。

特に深夜にペットが動き回ったり、鳴いたりし続けることは近所トラブルにも発展する原因につながります。

認知症は一度発症すると、完全に回復することはむずかしく、体が健康な老犬ならますます介護が困難になります。年齢を重ねた飼い主だと体力的な負担が大きく、飼い主自身の体調不良も引き起こしかねないのです。

毎日の投薬の負担

老犬の持病があれば、毎日の投薬の負担が増えてしまいます。日常的に服用が必要な薬が多いほど、投薬管理だけでも大変であり、むやみにほかの人に預けられません。

また、老犬の糖尿病など、毎日決まった時間に薬を使わなければ直接命に関わるような状態もあります。

このような、実際の人と変わらないような介護が続くことは、大きな負担につながりペットを飼い続けられない状況になってしまうのです。

免許返納後のこまめな通院

ペットの介護が必要になると、こまめな通院の可能性が高まります。すると、地方の場合は通院する際のペットの送迎回数が増えます。

たとえば高齢により免許をすでに返納している環境だと、ペットに何かあったときの通院の負担も増えるもの。

特におひとりさまで、車による送迎をお願いできる相手が周囲にいない環境は、ペットの命に直接かかわってしまうかもしれません。

このような老々介護で周りに頼れる人がいない環境は、いろいろとトラブルにつながるリスクが隠れているのです。

人とペットの両方の介護が必要になるリスク

ペットの介護だけでなく、おふたりさま暮らしの場合片方が体調を崩し、介護が必要になるケースがあります。

子育てと介護が同時になる状況につながり、心身の負担はとても大きなものになってしまいます。

最悪の場合、夫婦とペットそろって健康に問題が出てしまう結果も起こり得るのです。

ペットの介護は協力が必要

ほかの家族や知人、団体などを頼ることを考えたうえで、ペットの老後とご自身の老後を計画していきましょう。

これからペットを飼うのなら、必ず自分に何か起きても頼れる相手や、ペットのお世話を任せられる人を探すことが第一です。

今おひとりさまで頼れる相手がいないのなら、かかりつけの獣医に相談したり、ペット保護の団体に頼ったりして、ペットの生活を守ることを第一に考えてください。

まとめ

ペットはかけがえのない家族だからこそ、最後まで一緒にいたいもの。しかし、老々介護の結果ペットと飼い主が共倒れになる状況は避けたいことです。

おひとりさまでペットを飼うシニアの方が増えている今こそ、ペットの安全とご自身の安定した暮らしについて環境を見直してみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

大和泰子
大和泰子
株式会社 WishLane 代表取締役
一般社団法人包括あんしん協会 代表理事
【資格】
おひとりさま終活士
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
終活アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー

家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居の幸せ家族。
独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った。そして幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と熱い想いから、おひとりさま・おふたりさまの支援の実務をスタート。
「お金」「心身」「人」の3要素が環境や年齢とともに一人で自力ではどうにもならない時が訪れます。その時に、私たちが家族のように寄り添うサポート事業を運営。
まt、このような支援が出来る「おひとりさま終活士」の輩出活動中。

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