老後は第二の人生として、海外移住をしてゆっくりと過ごす人生を夢としている方は多くいます。しかし、海外は日本と宗教や葬儀の環境が異なることも多く、死生観もその国によってさまざまです。
海外移住生活を検討している方は、日本にあるお墓や菩提寺の管理のほか、海外移住先での終活事情を知ることが大切です。この記事では、海外移住者が終活するにあたって心がけたいポイントや注意点をご紹介します。
日本の遺族への連絡手段を確保しておこう
海外移住生活社は、基本的に日本にいるご遺族との連絡手段をしっかりと確保しておくことが大切です。たとえば、お墓を管理してくれている家族や親戚、万が一の自体の際に知人や友人に紹介してくれる家族がいないと、海外移住先で急病や事故などがあった際にスムーズに連絡がとれなくなってしまいます。
海外移住でゆったりと老後を過ごすには、早めの終活によって環境を整えておきましょう。
海外での葬儀のスタイルを決めよう
海外移住先で亡くなった場合、基本的にはその土地で葬儀や埋葬をするスタイルが一般的です。なぜならご遺体を日本にまで運ぶことは手続きにかかる時間と金銭面の問題があり、負担が大きいためです。
防腐処理や飛行機にご遺体を乗せるための手続きなど、費用がかかるため特別な理由がなければ、日本にご遺体を運んで埋葬することを希望される方は少ないのです。
そこで、海外の葬儀スタイルに合わせて葬儀をする方が多く、日本の仏教とは異なる葬儀の形で執り行われています。仏教式の葬儀を希望される方は、ご希望の宗派で葬儀ができる環境がある国に移住するなど、事前に調べておくことが大切です。
国によって遺産相続のルールが異なる
葬儀のほかに気を付けたいポイントが、国によって遺産相続のルールや法律が大幅に異なる点です。日本にいる時点で、あらかじめ遺産分配を明確にした遺言書を残すといった対策をしていなければ、その国の法律に則って分配されてしまいます。
たとえば、日本の場合は配偶者が半分、その半分を子供たちで分ける形が通常ですが、他国では必ずしも日本と同じではありません。想定していたよりも配偶者に遺産相続ができず、残された配偶者の生活費が不足してしまうといったトラブルにつながるのです。
事前に銀行の口座番号や暗証番号を伝えていなかったことで、日本にいるご遺族がお金を下ろせなかったケースも起こり得ます。このような遺産相続のトラブルを避けるためにも、海外移住の前に相続について終活を進めると同時に、移住先の遺産相続のルールも調べておきましょう。
海外移住者の終活の注意点
海外移住を希望する方は、あらかじめ終活として調べておきたいポイントや注意点があります。日本にいる家族に負担をかけないように、体力のあるうちに終活を進めて身の回りを整理しましょう。
移住先の医療費について調べておく
いざ海外移住したものの、急病やケガなどが原因で医療費がかかる可能性があります。日本では健康保険によって医療費の負担が少なく済みますが、海外によっては医療費が高額で日本のように高額療養制度がないところも多くあります。
東南アジアなどまだ日本ほど医療が発達していない国では、医療費が高額になるのです。そのため海外移住では、医療費と数か月働けない状態でも生活できる収入や貯金の確保が重要です。
移住先の葬儀・お墓のスタイルを知る
移住先の葬儀やお墓のスタイルをあらかじめ調べておきましょう。葬儀のスタイルが、日本にいる親族から理解を得られにくい可能性もあり、日本の文化とはさまざまな違いがあります。
また、お墓も移住先で用意するのか、納骨は日本のお墓にするのかといった、希望をあらかじめ決めておくことで葬儀やお墓にまつわる費用がどれくらいかかるのか事前に把握できます。亡くなったあとにご遺族にできるだけ経済的な負担をかけないためには、移住先の葬儀やお墓について調べたうえで、ご自身の希望に沿った方法を選ぶにはどうすればいいのか考えていきましょう。
サービスの解約やパスワードなどのデジタル情報を管理しよう
終活で整理しておきたい情報が、契約しているサブスクサービスの解約や、パスワードの管理といったデジタル情報です。特に国内でのみ利用できるサービスを契約したままだと、解約したくてもスムーズに手続きできなかったり、ご遺族が解約するまでに時間がかかったりといったトラブルの原因です。
また、SNSやインターネットサービスなどの解約もパスワードやIDを把握していなければ、解約まで時間がかかってしまいます。そのため、パスワードなどの情報はしっかりと管理しておくことも、海外移住の前からはじめておきたい終活です。
毎月銀行口座から引き落とされているお金の中で、使っていないのに契約したままのサブスクなどがないか調べてみましょう。
まとめ
海外移住で第二の人生を送る方々にとって、医療費や相続、お墓や葬儀など、考えておきたいことが複数あります。安心してゆったりとした日々を過ごすため、海外移住に備えて終活を進めていきましょう。
投稿者プロフィール
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株式会社 WishLane 代表取締役
一般社団法人包括あんしん協会 代表理事
【資格】
おひとりさま終活士
CFP®（ファイナンシャルプランナー）
終活アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー
家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居の幸せ家族。
独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った。そして幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と熱い想いから、おひとりさま・おふたりさまの支援の実務をスタート。
「お金」「心身」「人」の３要素が環境や年齢とともに一人で自力ではどうにもならない時が訪れます。その時に、私たちが家族のように寄り添うサポート事業を運営。
まｔ、このような支援が出来る「おひとりさま終活士」の輩出活動中。
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