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おひとりさまの認知症に備えたい「日常生活自立支援事業」とは?

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加齢によって発症リスクが高まる認知症は、日常生活に影響が出てしまう可能性がある病気です。特に一人暮らしのおひとりさまにとって、気付かないうちに判断力が低下することは自立した生活を送ることが困難になってしまう原因です。

そこで、おひとりさまが考えておきたい認知症を発症したあとに生活をスムーズに続けるための「日常生活自立支援事業」をご紹介します。福祉サービスをうまく取り入れて、認知症に備えていきましょう。

日常生活自立支援事業とは?

日常生活自立支援事業は、主に福祉サービスについての相談や利用手続き、金銭的なことについてなど、幅広く依頼できる支援事業です。

特に認知症によって認知機能が低下し、安全にお金を管理できず金銭トラブルにつながってしまったとのリスクが高まります。高齢化や障害によって、おひとりさまでは日常生活に不安がある方が、地域でそのまま安全に暮らせるように、社会福祉協議会が契約のもと、支援してくれる事業です。

大きく分けてサービスの内容は福祉サービス利用援助、日常的な金銭管理サービス、そして書類預かりサービスの3つがあります。

参考:厚生労働省 日常生活自立支援事業

福祉サービスの利用援助

福祉サービスを利用するうえでの相談や契約の手伝いを受けられます。

ほかにも郵便物のチェック、商品購入についてのクーリングオフ制度の使用のサポートなど、日常的なトラブルに対する簡易的な苦情処理制度があります。

もともと日常生活自立支援事業は、高齢による認知症や精神、身体障がい者が生活をそのまま続けられるように、サポートすることが目的です。

郵便物のチェックといった、日々の生活の手助けのほかに、訪問販売などで購入してしまった商品のクーリングオフ制度の利用についてなど、ご高齢の認知症で気をつけたい不当な買い物のトラブルについても支援事業の担当者が相談に乗ってくれます。

日常的な金銭管理

日常生活自立支援事業は、福祉サービス、医療費、税金、家賃といったお金の支払い手続きを手助けしてくれます。認知症によってお金の管理に不安がある方も、日常生活自立支援事業に毎月の支払い手続きなどをサポートしてもらえば、生活環境を大きく変えずに生活を続けられるのです。

書類預かりなどのサービス

大切な通帳や年金証書、不動産の権利書といった書類を預けて貸金庫に保管するサービスも受けられます。ほかにも印鑑も預けられるため、ほかの人にむやみにお金を使われるといった金銭トラブルの予防につながります。

ご自身の判断能力について不安が出てきたおひとりさまや、万が一の事態にそなえて重要な書類を預かってほしいといった方に好評です。

日常生活自立支援事業の手続きの流れ

  1. 地域の日常生活自立支援事業の主体に申請(相談)をする
  2. 生活状況やどのような援助を受けたいのか相談する
  3. 話と審査会の結果日常生活自立支援事業の条件に該当する場合は支援に向けての手続きがスタート
  4. その人に合わせた具体的な援助内容、実施頻度などを決める支援計画を作る
  5. 支援契約のもとに本契約を結ぶ

日常生活自立支援事業の申し込み方は、お住まいのところから最寄りの社会福祉協議会などに相談してみましょう。そのあとに必要があれば、訪問面接をしてもらい改めて契約するのかどうかを決めます。

その人によって希望する日常生活自立支援事業の内容は違うため、支援計画を作ったうえで利用契約を締結する流れです。話し合いでどのような支援を受けたいのか、預けたい書類があるのかをよく考えて担当者に相談しましょう。

なお契約に基づいたサポートは生活支援員が行います。

日常生活自立支援事業の平均利用料

日常生活自立支援事業の利用料は地域によって若干の違いがあります。ちなみに厚生労働省によると、訪問1階につき平均1,200円の費用がかかります。

ただし、生活保護受給世帯は無料で利用できるので、金銭的に不安がある方も安心です。また、地域によって提供している支援事業の内容が少しちがうこともあります。

料金と対応している自立支援事業の内容について調べたうえで、どれくらいの支援を希望するのか考えていきましょう。

契約締結までは3か月から半年の期間がかかります。審査会を開催する時期によっては、それ以上の時間がかかることもあるため注意しましょう。

まとめ

日常生活自立支援事業は、認知症の方や障がい者のうち判断能力が低下してしまった方が、安全に自立した生活が送れるように支援する事業です。

日常生活自立支援事業は地域が、暮らしの安心を手伝うことを目的にしており、金銭や手続きの支援、日常的な生活の相談にも乗ってもらえます。

認知症の診断を受けたものの、これまで通りできる限り生活したい方や、今後の生活に備えておきたい方は日常生活自立支援事業を活用して、おひとりさまの日々の生活を安全に過ごしていきましょう。

投稿者プロフィール

大和泰子
大和泰子
株式会社 WishLane 代表取締役
一般社団法人包括あんしん協会 代表理事
【資格】
おひとりさま終活士
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
終活アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー

家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居の幸せ家族。
独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った。そして幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と熱い想いから、おひとりさま・おふたりさまの支援の実務をスタート。
「お金」「心身」「人」の3要素が環境や年齢とともに一人で自力ではどうにもならない時が訪れます。その時に、私たちが家族のように寄り添うサポート事業を運営。
まt、このような支援が出来る「おひとりさま終活士」の輩出活動中。

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