近年、少子高齢化の影響により墓じまいをする方が増えつつあります。墓じまいはこれまでの家族墓などのご遺骨を取り出し、ほかの方法で埋葬することです。
墓じまいをしたあとに、考えたいことがご遺骨をどうするかです。これまでとはちがう埋葬方法を選ぶのか、散骨などを行うのか、さまざまな方法があります。この記事では墓じまいのご遺骨をどうするのか、方法と費用をご紹介します。
墓じまいとは?
墓じまいとは、これまで受け継いできたお墓のご遺骨を別の形で供養することです。これまでのお墓は魂抜きをして、新しいお墓を建てるか永代供養をするか、お墓を作らない形の供養方法を選ぶなど、さまざまな方法があります。
墓じまいは納めていたご遺骨の保管場所がなくなることにもつながります。そのため、墓じまいをするにあたって考えたいことは、墓じまいをしたあとのご遺骨の埋葬方法についてです。
墓じまいしたあとのご遺骨はどうなるの?
墓じまいをしたあとのご遺骨は、勝手に遺棄したりご自宅などに埋葬したりすることは、法令によって禁止されています。刑法でも第190条にて、ご遺骨の形が残ったまま無許可のところに埋葬することは不法投棄になってしまいます。
「墓地、埋葬に関する法律」でも、墓地以外の区画への埋葬、焼骨の埋蔵は禁止されており、違反者は処罰の対象になるのです。
そのため墓じまいをしたあとは、法を犯していないか十分に考えたうえで方法を考える必要があります。
では具体的に、墓じまいしたあとのご遺骨はどうやって埋葬や供養する方法があるのでしょうか?次から墓じまいしたあとのご遺骨の埋葬方法をそれぞれご紹介します。
お寺などに永代供養を依頼する
ご遺骨の埋葬方法の1つが、お寺や霊園に永代供養を依頼する方法です。永代供養は名前のとおり、永代にわたってお寺や霊園が供養してくれることで、ほかのご遺骨とともに定期的な供養を行ってもらえます。
菩提寺があれば家族墓を墓じまいし、そのまま永代供養を依頼する方法をとれるところもあります。または別の永代供養墓があるお寺や霊園に申し込んで、永代供養をしてもらいましょう。
永代供養にかかる費用は共同墓なのか、個別の永代供養なのかによって違いますが、共同の場合は10万円前後で申し込めます。
別の墓地や霊園に改葬してふたたび埋葬する
別の墓地や霊園に新しいお墓を用意して、そこに埋葬することを改葬と呼びます。昔はお寺の区画にお墓を建てる寺院墓地がほとんどで、ほかのお寺などに移動することを改葬として、お墓を引っ越していました。
新しく区画の利用を申し込んだうえで、お墓を建てる形になるため新しくお墓を作るときと同じ費用がかかります。また、前のお墓の解体やご遺骨の移動、魂抜きなどの儀式の依頼もあるため、新しくお墓を建てるよりも墓じまいの費用も追加されます。
お墓を作らない形での埋葬をする
お墓を作らない形で供養する方法もあります。たとえば、納骨堂などのお墓がない形で個人でお参りができる場所も多くあります。
墓じまいをする人は、お墓の管理ができない状況になったご家庭が選んでいる方法です。そのため、納骨
お墓を作らないことでお墓を建てるための時間や手続き、費用などが不要になります。
手元供養をする
手元供養とはご自宅内に骨壺を置いて供養するか、粉骨などの加工をしたうえでペンダントなど身に着けられるものにご遺骨を入れて持ち運ぶなどの方法があります。
粉骨する場合は骨壺をコンパクトにできるため、複数の骨壺をご自宅に保管したいといった方や、お墓を用意しないでご遺骨を常にそばに置いておきたいといった方におすすめです。
散骨する
散骨はご遺骨を粉骨した状態で、山や海などにまくという供養方法です。これまでご遺骨は墓地に埋葬するという方法が定番だった中、散骨はご遺骨を自然に還す供養方法として希望する人が増えています。
ただし、散骨は許可を受けている場所で行わなければ、不法投棄になってしまいます。自己判断で粉骨したご遺骨を散骨するのではなく、きちんと海洋葬などを承っている許可業者に依頼しましょう。
散骨することで新しくお墓を用意する必要がなく、お墓を一から建てるよりも費用をおさえられます。お墓の管理が困難で、お墓を受け継ぐことがむずかしい人でも、散骨なら故人を自然に還す供養方法としていつでもお参りができます。
まとめ
墓じまいは少子高齢化の影響で、お墓を継げなくなった方が無縁仏にならないように、別の供養方法を選ぶために行う人が増えています。
墓じまいはそのお墓を閉じて終わりではなく、これまで埋葬していたご遺骨をどうするのか供養方法を考えることも大切です。特に永代供養墓は、ご自身がお墓の管理ができなくなったあともお寺や霊園が長期に渡って供養してくれるため、お子様が近くにいない方や、お子様にお墓の管理で負担をかけたくないといった方に人気があります。
墓じまいはいろいろな手続きや新しい埋葬場所を探すなど、いろいろな負担があるため、終活で墓じまいを検討されている方は、できるだけ早く準備を進めていきましょう。
投稿者プロフィール
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株式会社 WishLane 代表取締役
一般社団法人包括あんしん協会 代表理事
【資格】
おひとりさま終活士
CFP®(ファイナンシャルプランナー)
終活アドバイザー®
高齢者住まいアドバイザー
家族に恵まれなかった幼少時代の不安と孤独を突破し、今は3世代同居の幸せ家族。
独りで誰にも看取られず亡くなる顧客を何人か見送った。そして幼少の頃の孤独と重なり「孤独で苦しむ人を減らしたい」と熱い想いから、おひとりさま・おふたりさまの支援の実務をスタート。
「お金」「心身」「人」の3要素が環境や年齢とともに一人で自力ではどうにもならない時が訪れます。その時に、私たちが家族のように寄り添うサポート事業を運営。
まt、このような支援が出来る「おひとりさま終活士」の輩出活動中。
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