緩和ケアと終末期ケアは一見似ていますが、目的に少し違いがあります。
ケアを依頼することでご本人にとっても、穏やかな最期を迎える事ができます。またご家族の生活を崩さずに守る事が出来ます。そんな緩和ケアと終末期ケアのそれぞれの特徴や違いをご紹介します。
緩和ケアとは？
緩和ケアは、心身の不快、痛みをケアして、できる限りゆったりとした気持ちで生活できるようにケアすることが目的です。
具体的には投薬による痛みの緩和、入浴や食事介助など、病状が進むにつれてむずかしくなってきた日常生活の行動を、医師や看護師などの専門家がサポートします。
緩和ケアは主にがんと診断された方の、終末期までをサポートすることが目的です。
終末期ケアとは？
終末期ケアとは、治療によって改善が見込めない患者の終末期をケアすることが目的。ホスピスなど終末期専用の施設も増えており、最期のときまで患者や家族ができるだけ希望通りに生きられることを目指します。
場所はホスピスのほか、病院や介護施設などがあり、緩和ケアはがん患者が主な対象ですが、終末期ケアは終末期の患者全般に対して使います。
緩和ケアと終末期ケアとの違い
緩和ケアと終末期ケアの大きな違いは、実はほとんどありません。どちらも大きな目的は、患者や家族の苦痛、不安を和らげておだやかな最期を迎えることです。
緩和ケアも終末期ケアも国が認めた基準を満たした施設、または訪問介護や看護であり提供する医療ケアの内容も基本的には同じなのです。
さらに詳しく、部分的な違いについて見ていきましょう。
開始する時期
緩和ケアと終末期ケアの違いをあげるとするのなら、開始する時期の違いです。
緩和ケアはがんと診断されたそのときから、病気の進行度に関係なく取り組まれるケアです。心身のケアだけでなく、仕事をしながら治療を受けるといった社会的ケアも含まれています。
生活の質（QQL）の低下をできるだけ防いで、これまでと変わらない日常生活を送っていけるように、専門家が取り組みます。医師や看護師のほかに、メンタルに関するケアとして心理療法士や介護のプロのケアマネージャーといった、さまざまな分野の専門家がチームになって取り組んでいきます。
一方で終末期ケアは終末期だと診断された時期に行うケア。つまり、死期が近いと診断された患者が、少しでも穏やかに過ごせるようにと投薬や環境の整備などを行います。
緩和ケアとホスピスの違い
終末期ケアにはホスピスという専門の施設がある点も、違いの1つです。
緩和ケアはがん患者を対象としていることが多いですが、終末期ケアは終末期の患者すべてが対象です。最期に向けて、無理な延命措置を行わずに尊厳のある死を迎えるために、環境を整えている場所です。
そのため、緩和ケアは病状の進行問わずケアをはじめることに対して、ホスピスはもう命が助からないと診断された患者のみが入所する場です。
在宅の緩和ケアは介護保険を併用できることもある
基本的に日本では、医療保険と介護保険の併用はしていません。しかし、在宅にて緩和ケアを受けることで介護保険も使える可能性があります。
ご自宅で緩和ケアを希望する場合は、まず介護保険と併用できるサービスがないか、介護度の再審査を受けてみましょう。
具体的に介護保険の適用になるサービスは、訪問での介護、入浴介護、看護や短期入所の料要介護などが該当します。
ほかにも、特定の福祉用具を購入するときやレンタルするときの費用の一部も、介護保険の適用になります。基本的にないご保険の自己負担額は1割で、65歳以上の場合は一定所得以上がある人は最大3割の負担です。
エンドオブライフケアとのちがい
近年終末期ケア、緩和ケアのほか、エンドオブライフケアという言葉も耳にするようになりました。
これは、「エンドオブライフ」＝「命の終わり」を意味する言葉です。命が終わるそのタイミングについて、それまでにしっかりと自分の死生観と向き合い、自我を持って生きることを目的としています。
命を全うするそのときまで、痛みや不快をできるだけ和らげて、自分らしい生き方をできるようにケアしてもらえます。終末期ケアとよく似ていますが、最期まで患者本人の気持ちを尊重できるような治療を目指している点が少し異なります。
まとめ
緩和ケアと終末期ケアは、緩和ケアががんと診断されたその瞬間からスタートすることに対して、終末期ケアはもう治療の施しようがなく、死期が近い患者のケアを目的としています。
どちらも苦痛や不快の緩和という点は同じですが、始まる時期や場所が少し違うケアです。
投稿者プロフィール
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一般社団法人 包括あんしん協会 理事
株式会社 WISHLANE 取締役
【資格】
ファイナンシャルプランナー
おひとりさま終活士
終活アドバイザー
不動産後見アドバイザー
お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのライフシフトナビゲーター。
5000人超の保険コンサルティング実務経験から「お金、心、身体」のトータルサポートが必然だと実感しています。100年人生を生き抜く時代。
人生の終焉に自分の願う最後の言葉が残せるように笑顔と実現力を引き出すためのあなたの一生涯サポーターとして活動しています。
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