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おひとりさまの終末期医療(ターミナルケア)とは?

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終末期医療は、最期までに身体的、精神的などの負担を軽減するための治療です。

近年日本でも正式に、終末期医療のガイドラインが用意され、患者自身の希望に沿った治療を受けられるようになりました。特におひとりさまにとって、終末期医療をどのように希望するのか、具体的な内容や場所を決めておくことがとても大切です。

ここでは、終末期医療とは何か、そしておひとりさまが考えたい注意点をご紹介します。

終末期医療とは?

終末期医療とはターミナルケアとも呼びます。

終末期は余命宣告を受けた方や、加齢、事故などで命をつなぐことが困難な状況が近づいている時期を意味します。

大きく分けると、身体的、精神的、社会的ケアの3つがあり、患者の心身、社会的な負担を軽減して、穏やかな終末期をサポートしてくれるのです。むやみな延命措置は行わないなど、本人の希望に沿った医療を施すことが目的です。

・身体的ケア…痛みや不快を取り除くための投薬など
・精神的ケア…病気への不安・心穏やかに過ごすためのサポートなど
・社会的ケア…経済的な不安・残される家族自身の精神的なケアなど

この終末期医療は1960年代に、イギリスで誕生しました。現在ではヨーロッパ、アメリカに普及し、日本でも少しずつ終末期医療が取り入れられるようになったのです。

厚生労働省は平成30年に、正式な終末期医療に関するガイドラインを制定しました。終末期医療についての指針がはっきりしたことで、ますます今ご自身で終末期医療を希望する旨を元気なうちに伝えることが大切になっています。

終末期医療はどこで受けられる?

終末期医療が受けられるところは、病院の中にある緩和ケア病棟や、介護施設が代表的です。ほかにも障碍者介護施設やホスピスなどがあり、終末期医療を行うかどうかは本人の意思が尊重されます。

もし本人が意思疎通できない状態であれば、家族に確認のうえ治療の有無を判断する形になります。中には在宅死を希望する患者もおり、訪問介護や看護サービスで終末期医療を受けることも可能です。

おひとりさまにとって、訪問介護や看護サービスを活用することで、ほかに家族が近くにいなくとも最期まで自宅で過ごしたい希望が叶えられるようになりました。

反対に終末期医療を設備が整っている病院や施設を希望する際には、希望の場所をあらかじめ決めておくことが大切です。

終末期医療を受ける場所ごとの治療内容

終末期医療は大きな目的が同じですが、受ける場所によって可能な治療法が変わります。

病院の終末期医療

病院は医療設備がそろっており最新の医療ケアを受けられます。緩和ケア病棟がある病院に入院することが多く、主にがんや後天性免疫不全症候群(エイズ)などの患者が利用します。

医師や薬剤師だけでなく、心理士といった精神的なケアも行うことが特徴。まだ全国で数百の施設しかないため、必ずしも緩和ケア病棟に入院できるとは限りません。

介護施設の終末期医療

特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院など、介護保険に関係する施設は、終末期医療を提供していることがあります。

特に看取りを前提とした施設もあり、医療機関との連携をもとに終末期医療を受けられます。
しかし容態が悪化すれば、最終的には病院に搬送されて入院しそのまま最期を迎えるケースもあります。

施設によって終末期医療の対応がちがうため、必ず確認の上納得のいく施設を選びましょう。

在宅での終末期医療

在宅の終末期医療は定期的な訪問医療、訪問看護のサービスを受けながら過ごすスタイルです。

無理な延命措置なども行わず、不快や痛みを取り除くことを目的に、あとは住み慣れた我が家で最期を過ごしたい希望を叶えられます。

最期の希望を汲んでくれて、一緒に考えてくれる信頼できる訪問医療の先生や訪問看護師を事前に選んで決めておくと安心です。

ただし、寝たきりの状態になった場合などは、自分の意思で訪問医や訪問看護師を選んで決める事が難しくなります。

それゆえに在宅での終末期医療を望む場合は、自分の意思や意向を伝えてくれる人を決めておく事や手続きをしてくれるサービス団体を決めておく事が、おひとりさまでも安心して自宅で最期を迎える大切な準備となります。

おひとりさまの終末期医療

2022年から一定以上の収入がある場合は、医療費は窓口負担2割、現役並みの所得がある人は3割負担に変わりました。収入によって自己負担額は変わりますが、健康保険のきく医療費は高額療養費制度で限度額以上の支払は戻りますので、手続きを忘れないようにしましょう。

ただし、健康保険の範囲外である自由診療、個室料金は該当しません。また、訪問介護サービスは医療費ではなく介護保険になります。

身近に頼れる同居人がいないおひとりさまにとっては、意思を伝える人や手続きをしてもらえる人がいるかどうかで最期の迎え方は大きく変わってきます。だからこそ、前もって支援者を決めておく事や意思を伝えておく事が必要です。終末期医療に関する準備は終末期になる前にしておく事で不安をあらかじめ解消しておきましょう。

まとめ

終末期医療は、精神、肉体、社会的ケアを目的としたものです。

地域や施設によっても受けられるサービスが違うため、どのような形で最期を迎えたいのか医療や介護の専門家に相談してよく考えたうえで、希望を決めていきましょう。

投稿者プロフィール

土屋 福美子
土屋 福美子
一般社団法人 包括あんしん協会 理事
株式会社 WISHLANE 取締役

【資格】
ファイナンシャルプランナー
おひとりさま終活士
終活アドバイザー
不動産後見アドバイザー

お金だけでは解決できない想いを叶え、生きた証を後世へ橋渡しするためのライフシフトナビゲーター。
5000人超の保険コンサルティング実務経験から「お金、心、身体」のトータルサポートが必然だと実感しています。100年人生を生き抜く時代。
人生の終焉に自分の願う最後の言葉が残せるように笑顔と実現力を引き出すためのあなたの一生涯サポーターとして活動しています。

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