あなたは、エンディングノートにどのようなイメージを抱いていますか?
私が初めてエンディングノートと出会ったのは、かれこれ10年ほど前のこと。
エンディングノートという言葉から受けた最初の印象は、
- 死ぬ前に身辺を整理しておくためのツールなのね!
- 確かに、相続に備えて財産をまとめておくのは大事!!
- でも、遺言書と何が違うの?
そして、現物を初めて手にした感想は「なるほど~違うんだぁ」でした。
どちらかと言うと、死後の手続きのことをメインとした感覚が強かった自分に気付かされたのです。
いえいえ、エンディングノートが「死後の様々な手続きをスムーズにしてくれるもの」であることは、紛れもない事実です。
ただ、それだけではないという意味で「違うんだぁ」でしたし、何より大きかったのは「主人公は誰なのか?」をあらためて認識させてもらったことでした。
主人公は“逝く側”の人
最も重要なポイントが無自覚なままズレてしまっていたのは、私がファイナンシャルプランナーとして相続についてのお悩みを承っていたことも関係していたと思います。
専門家が相続についての相談を受ける場合って、どちらかというと財産を受け取る側から持ちかけられることが多いんですよね。
つまり“遺(のこ)される側”の人。
「うちは違うよ」とおっしゃる専門家もおられるかもしれませんが、少なくとも私はそうでした。
例えば、「相続税ってどれぐらいかかるものなの?」とか「遺産分割で揉めそう…」とか。
我が身に困りごとが降りかかる可能性を感じる人が、それらを回避すべく対策することは、ちっともおかしなことではありません。
そうした人たちに寄り添っているうちに、気付かず知らず“遺される側”目線が身についてしまっていたのかも知れません。
しかしながら、相続における真の主人公は、他の誰でもなく、財産を渡す側。
つまり“逝(い)く側”の人なんですよね。
この人がどうしたいのか? が重要なのであって、この人の意思が全て。
誤解を恐れず表現するならば、他の人の意思は関係ないのです。
お金・財産は生きるために
そして、お金や他の財産のこと。これまた言うまでもなく、“逝く側”の人は、自分が死んだ後のために財産を管理しているわけではないはずです。
いつかその時が訪れる日まで、毎日をどのように充実させるか?
お金や他の財産は、持っている人が生きるためにあるのですよね。
当たり前すぎる事をわざわざ…に聞こえてしまったらごめんなさい。
となれば、それらを把握するエンディングノートの究極の目的は、いつか“逝く側”の人が、より良く生きるため!ということになると思うのです。
もちろんそこには、“遺される側”への愛情や気配りが最大限含まれていてこそでしょう。
エンディングノートは、それを書くいつか“逝く側”本人のため。
死んだ後のためではなく、より良く生きるため。
誰であろうと、何歳であろうと、必ずお役に立つツールであると深く深く感じています。
投稿者プロフィール
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ファイナンシャルコーチ
佐藤ななみのおかねの教室主宰
【資格】
終活アドバイザー
全米NLP協会公認マスタープラクティショナー
2級FP技能士
あなたが本当に手に入れたいものは何ですか? 本当になりたい自分って?
お金は、あなたの選択肢を広げ、あなたに幸せをもたらすとっても便利な道具の1つです。仲良く付き合って、願いを叶えていきたいものですね。
そして、お金はこの世のもの。どれほど蓄えても、最後は全て置いていかなければなりません。
たった一度の人生を存分に謳歌するために、そして、その日が来たときに後悔なく旅立つために…。バランスよくお金と付き合うことができるマインドとスキルをご一緒に養って参りましょう。
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